あの子にあるもの

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「あ…そこの2人、見学?」 練習中だった男子の先輩がこちらに気づいて話しかけてきた。 その目線は明らかに愛依子ちゃんの方に向いてたけど。 「あ、はい!そうです。」 愛依子ちゃんが笑顔で答えた。 「そっか。2人だけ?」 「あの、私の友達がもう1人来るはずなんですけど…。」 「君たちテニス部入るの?」 「そのつもりです!」 「そうなんだ。あ、俺は3年の大崎涼(おおさきりょう)ね。このテニス部、一応男女別れてるけど、練習は基本合同だからさ。これから関わることも多いと思うし、よろしく。」 長身で、頼りがいのありそうな優しい雰囲気の人だった。 「私は宮本愛依子です。よろしくお願いします。」 「…君は?」 先輩がやっとこちらを見て話してくれた。 「…河野結栄です。」 「よろしくな。」 先輩はそう言うと、練習に戻った。 .
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