と或る異世界の神様の話

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  『自分の所為で、世界が崩壊してしまった』 『世界を守る筈の自分が、世界に存在する全ての生命を滅ぼした』  正直言ってその神様、今すぐ死んでしまいたいと思ったらしい。  まあそうだよな。なんたって自分が愛していた世界を自分で壊しちまったんだから。  ――だから神様は、濁流のように流れゆく世界の残骸の渦へその身を投げた。  創造した世界を自分の過ちで崩壊させた罪は、自分の命で償えばいい。  自分は、愛していた世界を殺した最低な神様なのだから。  だが、神様の願いは叶わなかった。  崩壊した世界の渦に身を投げた神様は、最終的にその渦から引き上げられてしまったんだ。  神様の腕を掴んだのは、二人の男女だった。そのうち、少女はこんな言葉を彼へ言ったそうだよ。  ――貴方が死んでも、滅びた世界が再生するわけじゃない。  償う方法はただ一つ、貴方自身がここで死なずに生きること。  それが貴方の唯一出来る、貴方が愛した世界と世界の住人である彼らへの弔いとなるのだから――  …え?  その後、その神様はどうなったかって?  さあね。もしかしたらそのまま再び身を投げたのかも知れないし、彼女の言う通り償いのために別の道を歩んでいるのかも知れない。真相は廻間の中だ。  まあ、気になるようであればその神様に尋ねてくれ。  会えるかどうかはわからないけど…ね。  少し長くなったが、以上だ。  んじゃ、管理者の俺様は仕事があるから。お前さんもちゃんと仕事しろよ?  『と或る異世界の神様の話』 (まるで第三者のように語る彼の瞳は、深い悲しみを秘めていた) fin
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