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もうすぐ夏休みの日曜日
私はおばあちゃんに会いに行った
「さくら…今日は行かないの?」
「ん?」
中庭の日影でおばあちゃんは言った
「『先輩』の試合だよ」
「好きなんでしょ?」
おばあちゃんは優しい
「…うん」
「行こうか迷ってる…」
「どうして?」
「……」
「今はもう戻らないんだから今をしっかり見ておいで」
「さくらはそういう先輩が好きなんでしょ?」
私…何を考えてたんだろう…青木くんの何を見ていたんだろう…
青木くんがタオルを忘れて行った朝から体調のいい日はいつも一人練習する青木くんを見てた
「…おばあちゃん!私行く!」
「ごめんね!また来るから」
「行ってらっしゃい」
優しく送り出してくれたおばあちゃんを背に走り出した
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