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――キーンコーンカーンコーン
「……はぁあああ~~~~~~~~っ」
「今日一日中そんな感じだったね」
放課後。
机につっぷし、うな垂れている私を見ながら、中学からの親友の小林沙希(こばやし さき)が哀れんだ目で見てくる。
「ため息もつきたくなるって……」
今日一日の私の様子を率直に言ってきた沙希。
それを私はうな垂れたまま返した。
すかさず沙希は、慌てて取り繕うように私のあとに続ける。
「ま、まぁね。まったくあんたの気持ちに気付かない岡田には勲章もんだよ。『気付いていないで賞』って感じ?」
「……沙希、面白くもないし、笑えないってば」
場を少しでも明るくしようとしてくれた沙希の見事な空振りに、私はさらにため息をついた。
「ご、ごめん」
申し訳なさそうにしている沙希。
でも、本当に申し訳ないのは私の方。
彼女による、ありとあらゆる励ましの言葉は放課後になるまで出し尽くしている。
他にかける言葉が見つからなくなった沙希に、これ以上気を使ってもらうわけにはいかないけど……ごめん。
もういっぱいいっぱいなんです。
自分の置かれている立場で。
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