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あっくんとは、幼稚園のころから一緒の時間を過ごしている。
でも、それは単なる幼なじみとして。
どんなに一緒にいても。それ以上の関係にはならない。
あっくんのそばにいられる異性としては、きっとある意味一番近い場所にいると思う。
お互い気兼ねなく、何でも話が出来ますから。
だけど、裏を返せばそれは一番遠い関係ともいえる。
女として……ね。
「いい加減、諦めようよ私も~」
さらに机へとつっぷす私。
そんな私に沙希がアドバイスをくれる。
「流香、他に好きな人とか……出来たら苦労しない、か」
私の表情を的確に読み取った沙希はさすがです。
だてに親友をやってくれてません。
沙希の言うとおり。
いっそのこと、他に好きな人が出来ればいいんだけど私にはそれが出来ない。
しばらく沈黙したあと、私は堪らず叫んだ。
「も~~~~~~っ! なんでまだ好きなのぉ~~~~っ!」
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