【私はあんたの何なのさ】

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それぞれがそれぞれやることが出来て、増えていって。 どうしようもないものであると頭では分かっているんだけど、それがたまらなく淋しかった。 だから私は意を決して、あっくんに告白をした。 そうなんです。 胸に抱えたままにはせず、ちゃんと告白はしたんです。 卒業間近の中学三年生の時に。 家が隣同士だからわざわざそこまでする必要はなかったんだけど、でもだからこそ関係を改めたかったというのもあり、あえて私は告白の王道ともいえる『呼び出し』をしたんです。 徐々に花の蕾が芽吹き、春の訪れを今か今かと待ち受ける木々や花々が点在する校舎裏。 長かった受験がようやく終わり、とりとめて何か差し迫ったものがないこの時期は、容易にあっくんを呼び出すことが出来ました。 何の用事かと不思議そうな面持ちでやって来たあっくんに対し、私は何度も深呼吸を繰り返したのを今でも覚えている。 高校も同じ所に行くけど、その時は新しい出会いが待っているし、新しい出来事が待ち受けているはず。 だから、また短くなっていくあっくんとの時間を繋ぎ止めるためにも思い切って告白をした。 あっくんとこれからも一緒にいたいという、願いを込めて……。
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