4人が本棚に入れています
本棚に追加
嘘
嘘はついちゃいけないと教わった
もちろんそれは大人になっても守るべき約束だ
子供の時に一度、親に嘘をついた
友達に誘われたら断れないのは父親譲りだった
映画を見ると言うと「いけない」と言われる
仕方なかった
こうするしかなかった
正直、罪などないと思ってた
門限は5時
映画が終わるのは7時
どうしても観たかった
だから先生とクラスのみんなと行くと言ってしまった
家に帰ると父親に殴られた
しこたま嘘をつくなと叱られた
父親の目に涙
母親の目にも涙
泣きながら母親は警察に電話した
「無事でした」と。
あの日のことは忘れてはいけないと思った
そう思ったら涙が止まらなくて何度も謝った
映画館に行くとふとあの日が蘇ります
最初のコメントを投稿しよう!