七章 聖夜の夢

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 捕まった望さんから聞いた話によると、爆弾というのはハッタリで、スイッチを押すと放送室に仕掛けてあったテープが流れ、全校放送で『ドッキリ大成功!』というフレーズが大音量で流れる仕組みだったらしい。  さすがに学校を爆破したりはしないだろうとは思っていたが、なんともくだらない。 「まったく、写真部の連中ったらホントろくなことしないんだから」 「あの、俺も一応写真部の一員なんですけど」  爆破がドッキリだったことを知った蓮先輩はご機嫌斜めの様子。  生徒会の仕事が終わった頃には辺りはすっかり暗くなっていたので、俺は蓮先輩を家まで送る為にいつもとは違う帰り道を歩いている。 「亮介くんは別だよ。当然のように家まで送ってくれる気遣いとか素敵だと思う」  そういうこと笑顔で言われると照れちゃうじゃないですか……
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