八章 確かな想い

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 翌日の朝、俺は姉ちゃんと二人で風見学園に向かっていた。 「今日が終われば冬休みだっていうのに、なんだか元気ないわね」 「そうかな? いつも通りだよ」  さすがに何年も一緒に暮らしてるだけあって姉ちゃんは鋭い。  元気がない理由はただ一つ。昨日見た夢のことだ。  もしあの夢が本当に蓮先輩の過去なのだとしたら、蓮先輩がいつも笑顔でいる理由がわかる。  笑顔でいないといけないから、笑顔でいないと……幸せじゃないと自分の居場所がなくなってしまうから。  でも、それは本当に幸せだと言えるのだろうか。 「なぁ姉ちゃん、蓮先輩の家って父子家庭なの?」 「ん? そういえば何度か蓮の家に行ったことがあるけど、父親しか見たことないわね。どうしたのよ急に」 「いや、別に……」  やっぱり蓮先輩の母親はあの夢の日に一人都会に行ってしまったんだな……
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