八章 確かな想い

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「重大発表があります!」  その日の放課後、音楽室にて、先ほどまでのシリアスを吹き飛ばすかのように蓮先輩が声高らかに叫んだ。 「とりあえず落ち着け」  先ほど蓮先輩に連行されてきた望さん……かなり不機嫌。  ゆーちゃん先輩はいつも通りなに考えてんだかわからん。 「蓮先輩、重大発表って?」 「よくぞ聞いてくれましたっ! 毎年青海町で開かれるミュージックフェスティバルになんと! 私達が参加することになりました!」 「………………えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」  ミュージックフェスティバル……青海町で音楽をやっている人なら誰だって知っている。  多数の応募から五組のバンドを抽選し、青海町商店街の中心で一組につき一曲づつ演奏するイベントだ。  毎年青海町の住人のほとんどが商店街に集まるほど大きなイベントで、都会からスカウトの為に有名なプロデューサーなんかも見にくることがあるらしい。
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