三章 学生の本分

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「おい……マジでやんのかよ?」  足音を立てず、一歩一歩慎重に風呂場に向かっている俺と比泉。 「なんだ、新山は見たくないのか?」 「見たくないって言ったら嘘になるけどさ」  こういう発言が出る辺りやっぱりこいつも芸術云々じゃなくて覗きが目的なんじゃないか。  今時お風呂でのイベントなんてなかなかないぞ。ヨシノさんちのヨシユキくんじゃあるまいし……  エッチなのはいけません! なんて可愛らしい怒り方をしてくれるお姉ちゃんがいるならともかく、うちの姉ちゃんにバレたら迷わず吊される。 「ここまではなんの障害もなくたどり着けたな」  気付けばすでに風呂場の目の前。  辺りに姉ちゃんの気配はない。 「開けるぞ?」  比泉がドアをそっと開けるとそこには……
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