四章 にゃんこな先輩

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 とまぁ無駄にテンションの高いゆーちゃん先輩と挨拶を交わしたところで、蓮先輩に呼ばれる。 「やっほー亮介くん、呼び出しちゃってごめんね」 「いえ、特に用事もなかったので構いませんよ」  蓮先輩のところまで来ると、その後ろでニヤニヤしている望さんが視界に入った。  この人がこんな表情をしている時は大概俺に災難が降りかかるんだよなぁ。 「よぉ少年、比泉に聞いたんだが……こないだ蓮が少年の部屋に寝泊まりしたそうじゃないか」  望さんが言っているのはこの間の勉強会の時のことだろう。  比泉の言葉に間違いはない。蓮先輩には確かに俺の部屋を使ってもらったのだが……それだけを聞かされたら間違いなくいらぬ誤解を生むだろう。 「先に言っときますけど、一緒に寝たわけじゃありませんからね」 「そうなのか……少年も意外と小心者なんだな」  悪かったですね。あの夜は徹夜で春香さんの説教受けてたからそれどころじゃなかったんですよ。
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