四章 にゃんこな先輩

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「それにしてもなんで俺なんか勧誘するんですか?」 「夏紀に聞いたんだよ。亮介くんが中学の頃ギターやってたって」  姉ちゃんめ、余計なことを…… 「由香里がギターで私がボーカル兼ベース、望がドラムなんだけど……ギターがもう一人入ってくれたら演奏の幅が広がるなぁって」  どうしよう……って、迷うこともないか。  蓮先輩の言う通り中学では趣味でギターを弾いてた。  それなりに好きだし、なにより写真部で悪事に荷担させられているよりはこっちの方が全然高校生らしいよな。 「まぁ、俺でよければ」  照れ隠しに素っ気なく返事をしたのに、蓮先輩は嫌な顔一つせず……むしろ笑顔を向けてくれた。 「ホント!? 亮介くんと一緒にできるなんて嬉しいなぁ」  この人は本当に……純粋な人なんだな。
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