四章 にゃんこな先輩

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「それじゃ、明日から放課後は音楽室に来てね!」  蓮先輩はこのあと生徒会の仕事があるらしいので今日はこれで解散となった。  望さんはそれを察して窓から逃げ出そうとしたが、蓮先輩にあっさり捕まって生徒会室まで引きずられて行った。  音楽室に残されたのは俺とゆーちゃん先輩の二人だけ。 「ゆーちゃん先輩はバス通学ですか?」 「うんにゃ、徒歩だよ」  ゆーちゃん先輩は『あっちの方』と言って住宅街を指差す。  ちなみに風見家もその住宅街にある。 「なら送って行きますよ」  純粋な親切心で言ったつもりだったのだが、ゆーちゃん先輩は変な意味に取ったようで―― 「目的はなにかにゃ? 送り狼?」  ――と、俺を挑発するような発言が帰ってきた。  相手が俺だったからいいものの、目的が本当にそれだったらどうするつもりなのやら。
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