四章 にゃんこな先輩

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 ゆーちゃん先輩と二人、帰路を歩いている途中で困ったことに気づいた。 「俺の家より遠いんですね」  目の前には風見家。どうやらゆーちゃん先輩の家までの帰り道の途中にあったらしい。 「ここが亮介くんの家? でも名字が……ってかここ夏紀ちゃんの家だよね?」  蓮先輩の友人ってことは姉ちゃんと面識があってもおかしくないか。  徒歩だって言うから同じ中学に通ってたのかとも思ったけど、風見家は学区ギリギリに位置してるからそれより向こうってことはそれはないみたいだ。 「まぁ、俺居候なんで……」 「家庭の事情ってやつかにゃ?」 「そんなとこです」  ゆーちゃん先輩はそれ以上なにも聞いてこなかった。  なにか察してくれたのか、興味がないのかはわからないが、俺にとってはありがたい。 「同じ道を往復させるのも悪いし、ここまででいいよ」 「そうですか。それじゃ、また明日学校で」  親切の押し売りは相手に気を使わせるだけなので、俺は風見家の前でゆーちゃん先輩を見送った。
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