四章 にゃんこな先輩

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「亮介、入るわよ?」  帰宅後、夕飯と風呂を済ませ、部屋で宿題をしていると、コンコンと部屋のドアをノックする音が聞こえた後姉ちゃんが部屋に入ってきた。 「どうしたの?」 「蓮から聞いたんだけどさ、軽音楽部に入ったんだって?」  姉ちゃんといい蓮先輩といいこのグループのネットワークは情報伝達が早すぎる。 「まぁ……ね」 「そっか、頑張ってね」  姉ちゃんが俺に『頑張って』とか言うなんて珍しいこともあるもんだ。  姉ちゃんはドアの前に立ったままで、俺から顔を背けると再び口を開く。 「亮介のギターけっこう好きだったし……応援しててあげるから」  それだけ言うと姉ちゃんは逃げるように自分の部屋に帰って行った。  久しぶりに見たな……一割のデレ。
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