五章 特訓の先には……

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 俺はゆーちゃん先輩と違ってソロパートもないし難しいところは全部ゆーちゃん先輩の担当なのでこの調子で練習していけばクリスマスパーティーまでにはなんとか形になりそうだ。 「さすが経験者だけあって覚えが早いねぇ」 「ゆーちゃん先輩の教え方がいいからですよ」  お世辞ではない。俺の演奏を一度聞いただけで悪いクセなんかを見破り、すぐに改善策を導き出して直してくれる。  試しに聞いてみたところ、ゆーちゃん先輩の将来の夢は音楽の先生になることなんだとか……納得だ。 「あたしも亮介くんがサポートしてくれると凄く弾きやすいよ。あたし達いいパートナーになれそうだね」  その言葉が凄く嬉しかった。  類は友を呼ぶとはよく言ったものだ。  蓮先輩が親友だと認めるだけあって、ゆーちゃん先輩は本当に純粋で素敵な人だと思う。
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