五章 特訓の先には……

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 その後、空が薄暗くなるまで練習していたが、家の人が帰ってくることはなかった。  両親は遅くまで仕事しているのだろうか。 「それじゃ、俺はそろそろ……」 「ありゃ? もうそんな時間かぁ。楽しい時間ほど早く過ぎるって言うけど、本当だねぇ」  これは遠回しに俺といる時間が楽しかったって言ってると思っていいんだよな。  もちろん俺もゆーちゃん先輩との練習は楽しかったが、自分が楽しめることよりも相手を楽しませることが出来た方が何倍も嬉しい。  何事も楽しい雰囲気でやるとはかどるものだしね。 「また明日もあたしんちで練習する?」 「いいんですか?」 「構わにゃいよ。家の人は夜遅くまで帰ってこないし」  ここで『誘ってるんですか?』なんて言おうものなら猫パンチが飛んでくるのは間違いないな。
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