五章 特訓の先には……

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 その後、送っていくというゆーちゃん先輩からの申し出を断り、一人帰路を歩く。  道は覚えているし、すでに辺りは暗くなっているのでゆーちゃん先輩に帰りの夜道を一人歩かせるような真似はできないからね。 「ふむ、女生徒の家に直帰とはいい身分だな」 「うわぁ!?」  一人静かに歩いていたら、突然背後から悪友の声。  相変わらずの神出鬼没ぶりだな。 「比泉……気配を消して近づくなっていつも言ってるだろうが」 「ついクセでな……すまない」  慣れてない人が薄暗い夜道でこんな声のかけられ方したら下手したら心臓止まるぞ。  それにしても―― 「お前んちこっちの方向じゃないよな? なんでこんな時間にこんなとこにいるんだ?」 「たいした理由はないのだが……ちょっとした事情で帰る家がなくなってしまってな、今夜の寝床を探して放浪中だ」  ……どこからつっこめばいいのやら。
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