五章 特訓の先には……

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 少し考えた結果、関わらない方が無難だと結論づけて一度止めた足を再び動かし、風見家に向かう。  ……その後を無言でついてくる小さな足音。 「なんでついて来るんだよ!」  近所迷惑? わかってるさそのくらい。 「お前は親友が困っているのに黙って見捨てるのか?」 「いつ俺とお前が親友なんて親密な関係になった!? お前はただのクラスメートであってそれ以上でも以下でもない!」  せっかく今日は1日楽しく過ごせたってのに、こいつのせいで台無しだ。  歩くスピードをさらに早める……が、やつはほぼ無音でぴったりと隣に張り付いてくる。  端から見たら実にシュールな絵面だ。 「……わかった。困ってるクラスメートの相談に乗ってやるから、後をついて来るのはやめてくれ」  こいつに絡まれたら潔く諦めた方が楽だと気付いたよ……
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