五章 特訓の先には……

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 話を聞いてみると、地下室ということで周りに迷惑がかからないので、蓮先輩はたまにここで歌の練習をしに来ているらしい。 「俺もちょうど練習したいと思ってたとこなんで、一緒にやりましょうか」 「ホントに? すごく助かるよー!」  後ろで終始嫌な笑みを浮かべている比泉を無視して話を進める。 「望さんも呼んだら来るんじゃないですか?」 「望ならさっき来て写真の現像するからって暗室に入って行ったよ」  ならしばらくしたら戻ってくるか。  もう遅いし、ゆーちゃん先輩を呼ぶわけにはいかないよな……ハッキリ言ってゆーちゃん先輩って口が軽そうだからこの部室の存在を教えたら厄介なことになりそうだし。 「ギターはどうしましょうか? ギターソロとかはほとんどゆーちゃん先輩担当なんで俺は練習してないんですが……」  さすがにソロパートがぽっかり空いてしまっては通しでの練習ができない。
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