六章 彼女の笑顔

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 12月23日、クリスマスパーティーの一般開放は午後二時からで、現在時刻は正午。  午前中にリハーサルを終えた俺達は音楽室に集まっていた。 「リハーサルは上手くいったね。この調子なら本番もきっと大丈夫!」 「蓮がヘマしなければな」 「のーぞーむーっ!」  いつも通りの和やかなムード。  俺は若干緊張しているのだが、先輩達は全然平気みたいだ。 「で、なんで比泉までいるんだ?」 「ふっ、気にするな」  こいつには練習に付き合ってもらった借りがあるから無碍(むげ)にはできないか。  あの後譜面を端から端まで見ただけで小さなミスはあったもののほとんど気にならない程度に弾ききった比泉にはビックリさせられた。  あの夜以降は蓮先輩にも変わった様子はないし、これならライブ本番も問題はないかな。
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