六章 彼女の笑顔

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 望さんに続いて、ゆーちゃん先輩もゆっくりと立ち上がる。 「あたしもこの後友達の手伝いがあるから、また後でにゃ」  ゆーちゃん先輩はぶんぶんと元気に手を振って音楽室を出て行った。 「それじゃ、私達もそろそろ行こうか」 「へ? 行くってどこへ?」  も、もしかしてデートのお誘い? 「校内のパトロールだよ。生徒会の仕事手伝ってくれるって約束したでしょ?」  ですよねー。  やるって言ったのは俺だけど、やっぱりイベントの日くらいはぱぁっと騒ぎたいな。  そんなことを思っていると、俺の気持ちを察してくれたのか、蓮先輩は微笑みながら呟いた。 「まぁそんなに大きな問題はないと思うし、パトロールって言っても普通に見て回るのと変わりないよ」  ふむふむ、それはつまり―― 「デートって言えなくもないね」  そう言ってはにかむ蓮先輩を見て、俺の心拍数はぐんぐん上昇中です。
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