六章 彼女の笑顔

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「とりあえず一通り見て回ろっか」  そんな蓮先輩の一言から数十分、俺の両手には出し物の景品などが大量に詰め込まれた袋がぶら下がっていた。 「次はあそこ行ってみよー」 「まだ遊ぶんですか……」 「遊んでるんじゃないよ。パトロールだよパトロール!」  これのどこが……  見回りを初めてからいくつか他校生によるナンパや喧嘩の現場に遭遇したけど、どれも止めたのは俺じゃないですか。  そのせいかさっきから俺を見たうちの生徒が『さっき喧嘩を止めてた人だ』なんて指差しながら噂されることもしばしば。 「亮介くん、早くー」  そんなことを思いながらも、結局蓮先輩について行ってしまう辺り俺もペットと変わらないな。  まぁ蓮先輩のペットならなってもいいかも……なんて思っちゃう俺は間違いなく末期だな。
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