六章 彼女の笑顔

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「もしもし」 『お疲れさん少年、今すぐ蓮と一緒に新校舎の屋上に来てくれ』 「え? ちょっ…………切れた」  とりあえず言いたいことだけ言ってすぐに電話を切るのはやめてほしい。  えっと、蓮先輩と一緒に新校舎の屋上……だっけ。  逆らえばなにされるかわかったもんじゃないからなぁ。 「あの、蓮先輩」 「ん? なぁに?」 「今望さんから着信があって、蓮先輩と二人で新校舎の屋上に来るように言われたんですけど……」  蓮先輩は顔をしかめ、一旦作業を止める。 「あいつ、今度はなに企んでんのよ……まぁそんなの無視でいいよ」  蓮先輩がそう言った瞬間、今度は蓮先輩の携帯電話に着信が入る。  電話を取り、話を始める蓮先輩の顔はなぜかみるみる赤くなっていき、数分後電話を切ると共に―― 「亮介くん、屋上に行くよ!」  ――と言って立ち上がった。  なにを言われたのかは置いといて、このタイミング……生徒会室にまで盗聴器がしかけられているのだろうか。
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