七章 聖夜の夢

2/15

3297人が本棚に入れています
本棚に追加
/183ページ
 クリスマスパーティー最終日、今日は軽音楽部のライブがないので俺は生徒会の手伝いに専念。 「亮介くん、家庭科部の出し物でなにかトラブルがあったらしいから対処してきて」  クリスマスイブともなるとハメを外す輩がさらに倍増するのか、昨日とは比べ物にならないほど忙しい。  進学校だというのに意外と問題児も多いんだよなぁ。  家庭科部の部室に到着すると、部室を取り囲むようにしてたくさんの生徒が集まっていた。  その中にゆーちゃん先輩の姿を見つけ、事情を聞こうと立ち寄る。 「ゆーちゃん先輩、一体なにがあったんですか?」 「あ、亮介くん! 大変なんだにゃあ」  ゆーちゃん先輩は困ったような表情で騒ぎの中心を指差す。 「あれは……明先輩、それに光先輩も」  そこにいたのは学園一の秀才である高峯明(たかみねあかり)先輩とその双子の妹である(たかみねひかり)先輩、それに対峙する他校生の姿だった。
/183ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3297人が本棚に入れています
本棚に追加