七章 聖夜の夢

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 トラブルを処理するのが俺の仕事だし、中心にいるのが知り合いともなればほっとくわけにはいかない。 「光先輩、一体どうしたんですか?」 「なによ、ナンパ野郎じゃない」  大勢の取り巻きがいる中で誤解を招くような発言はやめてください。 「あれ? あんた生徒会役員だったっけ?」  光先輩が俺の腕に巻かれた生徒会の腕章を見ながら訪ねてくる。  これを見せれば大抵の人間は話を聞いてくれるからと昨日蓮先輩にもらったものだ。 「まぁ今のところは」 「ふぅん、ならこいつなんとかしてよ」  光先輩はそう言って対峙している他校生を指差す。 「さっき嫌がってる明ちゃんにしつこく迫ってたのよ」  要するにナンパか。  対する他校生は問題にされたくないのか冷や汗をかきながら否定している。  嘘をつくならもっと上手くやらないと逆効果だってのに……
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