七章 聖夜の夢

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「それで? なんか用なのか?」  こいつに遭遇するとろくなことが起こらないから出来れば生徒会の手伝いで忙しい今は会いたくなかったのだが…… 「うむ、ちょっと新山に頼みがあってな」 「だが断る」  比泉の申し出を華麗に無視して生徒会室へ。  そして比泉はいつかの帰り道のように早足で歩く俺の隣をぴったりとついて歩く。  あの時と違うところと言えば、周りにはたくさんの人がいるってことだ。  つまり、これは恥ずかしすぎる。 「…………頼みってなんだよ」  さすがにこの状況には耐えきれず、諦めて投降。 「なに、そう難しいことではない。俺と部長が今回のメインイベントの準備を終了するまで生徒会長を引きつけておいてほしいのだ」 「それってつまり、体育祭の時みたいにデートしろってことか?」 「簡単に言えばそういうことだ」  そりゃ俺だって蓮先輩とクリスマスイブにデートできたら嬉しいけど、生徒会の仕事が忙しい今、蓮先輩は承諾してくれるだろうか。
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