七章 聖夜の夢

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『午後6時になったら我々は手元にある爆弾の起爆スイッチを押す。さぁ、無能な生徒会とその他もろもろの生徒達よ、爆弾の爆破を止めることが出来るかな?』  午後6時って後十分しかねぇじゃねぇか!  これにはいつも笑顔な蓮先輩も流石に表情を強ばらせている。 「無能な生徒会だなんて……許せない!」  あ、そっちですか。 「亮介くん、放送室に急ぐわよ!」  なるほど、全校放送は放送室からじゃないと出来ない。  つまり比泉は自分で自分の居場所を教えてしまったようなものだ。  俺と蓮先輩は生徒会室から飛び出し、旧校舎にある放送室まで走った。  新校舎の四階から一階まで階段を駆け降り、裏口から中庭を通って旧校舎へ……さらに階段を上がって三階の廊下の突き当たりにある放送室にたどり着くまでにかかった時間は約五分……間に合った。
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