七章 聖夜の夢

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 蓮先輩が勢いよく放送室の扉を開くと、そこには案の定比泉紫苑の姿があった。 「意外と早かったな、生徒会長よ」 「まったく、キミはいつもいつも問題ばかり起こして……さぁ、爆破スイッチを渡しなさい」  蓮先輩がそう言うと、比泉は一度顔を伏せ、やがて高らかに笑い出した。 「はっはっは。生徒会長よ、俺は『我々は手元にある爆破スイッチを押す』と言ったんだぞ? 『俺が』押すとは一言も言っていない」  つまり、比泉は俺達を引きつける為の囮で、爆弾の爆破スイッチを持っているのは……望さんか!? 「新山は気づいたようだな。だがもう遅い!」  比泉はそう言って放送室の時計を指差す。  それが示す時刻は午後6時ジャスト。  もう間に合わない。そう思った俺は瞬間的に身構える……が―― 「なにも起きないぞ?」 「な、なぜだ!?」  いつも冷静な比泉もこれは予想外だったらしく、激しく同様している。
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