ボクとシロ

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そしたら、シロは落ち着いたみたいで、目を瞑って(つむって)眠ったみたい。ボクもそれを見て、安心したよ。 だから、ボクは夕飯を食べに行ったんだ。お腹が減ってたからね。 そして、またシロのところに戻って来たらビックリしたよ! だって、シロが寝てる布団が真っ赤に染まってたんだ! ボクは急いでお母さんにそのことを伝えた。 シロが血を吐いたってね! そしたら、お母さんはボクを見て笑うんだ。 ボクが「何がおかしいの?」って聞いたら、「ううん。何もおかしくないよ」って言うんだ。「じゃあ、何で笑うの?」って聞いたら、「アンタの顔が変だっただけ」だってさ! 『変』ってなんだよ!ボクがシロを心配している顔がそんなに『変』だったのかなぁ…。 暫くして、また押し入れまでシロを見に行ったら、シロのお尻から変なものが出てきてた。 黒くて、膜が張ってて、水がお尻から大量に出てた。 ボクは、「うわぁあぁあ」って絶叫しながら、走ってお母さんのとこまで駆けつけた! シロのお尻から出ようとしてたのは、間違えなくエイリアンだね!! でも、それを伝えたら、またお母さんが笑うんだ。 今度はさっきよりひどい。お腹を抑えて「腹がよじれる」とか言いながら、床に転がったんだ。 ちょうど、お母さんは、茶の間でお父さんとテレビを見てたから、お母さんが転げた拍子にお父さんの顔面にお母さんの足が的中した。 お父さんは鼻血を出しながら、「お前、何するんだ!」小さな声で毒づいてたよ。 ボクはまたシロのいる押し入れに戻った。 でも、今度は一人じゃないんだ。お母さんとお父さんが居るから、もう安心だ。 待ってろシロ!今、エイリアンを取り払ってやる!! でも、押し入れに居たのは、さっきのエイリアンじゃなかった。 目がまだ開いてない頭がデッカくて、体が妙に小さな子猫だった。 それが四匹もいるんだから、驚きだよね。そうか!アレはエイリアンじゃなくて、子猫だったんだね。勘違いしちゃった。ごめんね。シロ。 シロは、生まれてきた子猫をネブネブして、頭や身体についた膜を丁寧にとってた。 最初、なんだかよく分からなかったけど、シロが綺麗に膜をとってくれたお陰で、子猫の姿がよく見えるようになったよ。 灰色の子猫と黒と茶色と白の三毛猫に、真っ黒な猫が二匹。
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