後悔

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そもそも、あの事件以来、俺は修一から持ち込まれた話を断ったことがない。 あれから5年が経つけれど、俺達はケンカなんかしたことがない。 できない。 俺のせいでヤツに一生残る傷を残した。 俺が、馬鹿だったばかりに。 なんの関係もない、真っ当に生きているヤツに、不当な傷を付けた。 少し、昔話をする。 当時、俺の家は崩壊寸前だった。 在宅で保険の仕事をしていた父は、ほとんどアルコール中毒で。 昼を過ぎると酒を飲んだ。 学校から帰ると、毎日のように父は酔っていて。 俺はパートから母が帰るまで、父の暴言と暴力に晒されていた。 「お前なんかが生まれてきたばかりに」 自分は夢を諦めて、生活の為に稼がなきゃいけなくなった。 「クソガキめ」 何の役にも立たないクセに、金だけ食いやがって。 さっさと出ていけ。 そうしたら、母親とも別れて、また夢を追うんだと。 母は泣いた。 「お前を守ってやりたいけれど」 自分が働かなければお前の学費が工面できないと。 「なぜあんな男と」 自分は結婚したのかと。 それでも、母は痣だらけになりながら職場に行き。 それでも、俺は痣だらけになりながら学校に行った。
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