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当然、痣だらけで登校する俺は同級生からは浮いていて。
教師達は児童虐待だのと騒ぎ立てようとし。
そんな中、修一だけは変わらずに俺の傍にいてくれようとしたけれど。
我慢できなかった。
同情なんか欲しくなかった。
それまで俺達は。
父の暴力が始まるまで俺達は。
確かに対等で。
ただの仲のイイ友達だったハズなのに。
同情!
途端に、自分が弱いものになったようで…
親の前で立ち尽くし反撃もできない。
弱い自分に我慢ができなかった。
それを、今以上に世間に晒すつもりだろう教師にも反発をした。
福祉施設に相談?
ふざけるな。
俺は自分が弱いものだと。
守ってくれと。
どこにも言って回るつもりはなかった。
自分を守るものは自分でなければならなかった。
俺は学校に行かなくなった。
父は、
「高い授業料を払っているんだ!義務教育でなければ辞めさせてやるのに」
と俺を殴った。
当然、俺は家にも帰らなくなった。
昼間に適当に時間を潰していると、同類と知り合う。
一人で過ごすには、中学生にとって一日は長かった。
俺は同類とつるんで遊ぶようになった。
殴る父も、泣く母も俺は嫌いだった。
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