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自分の性癖も。
自分のツラも。
憎悪に近い感情で嫌悪している。
理由は知らなくても、俺が自分の顔が嫌いだと。
修一は知っているはずだ。
だから、いつもはこれほどまでしつこく俺の容姿の話はしないのに……。
「男相手にキショイんだよ、テメェらは」
修一のケツに膝蹴りをくらわせる。
不意討ちだったのか、よろけた修一の腰を慌てて支える。
一瞬遅れて、大きな手が、俺の腕の上から修一を支えていた。
気がついたら、修一に抱き着く俺。
その上から俺を抱き込む猛。
という、見事なサンドイッチ状態。
あれ?
ぶぶぅっ!!
たまらず修一と猛が吹き出す。
「何、これ!?日曜の新宿で男3人、何しちゃってんの」
笑いに乗り遅れて、俺は呆れてみた。
けど、やっぱり込み上げてくる笑いには堪えられず。
くくっ
くっくっくっ
「駄目だ、……くっ…くっ、ぶはっ、ジワジワくるわ、これっ、くはっ」
3人して、腹を抱えてゲラゲラと。
笑って。
笑って。
収まったころには、俺はなんだか猛のことがとっても気に入っていた。
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