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「悪ぃな」
くはっ、
笑いを噛み殺しながら猛の背中を叩く。
お?
そういえば、さっき腕の上から支えられた時も思ったけど。
「しかし、いい筋肉してるなぁ……。何してんの?」
「部活で水泳やってます。マリンスポーツはだいたい経験ありますよ。この間、ライフセーバーの免許を取ったし。仲良くしてもらっている先輩のワンゲルにも、誘われたらちょいちょい顔を出していたり……」
え!?
すげぇアウトドア。
「コイツは筋肉バカだからなぁ。血液が脳みそに回る暇がないのか、脳みそまで筋肉になっちゃってるのか、勉強は全くできないけどな?スポーツ推薦で進学校に入ったはいいけど毎回赤点。」
「そこで、家庭教師様のおなぁりぃってのは、わかったけど……。なんでわざわざ俺?」
修一は猛のことを、クセがあると。
大人にとっては頭痛のタネだと言っていたが。
そんな奴には見えない。
どうやら、本題の核心に触れる質問だったようで。
修一は不意に真面目な顔に戻った。
「ま、とりあえず店に入るか」
それで俺達は、ちょうど目の前にある喫茶店に入ることにした。
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