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「そこまでわかっていて、あの人の言葉を鵜呑みにするなんて。……悠紀さんって意外とピュアですね?」
ん?
「やっぱり、聞いていたんじゃないか。なんで聞いてないふりをしたんだ?」
「……?聞いてないふりなんか、していませんよ?」
「だって、お前……へぇ?って言ったじゃないか」
猛はまじまじと俺を見つめて。
ぶはっ。
吹き出した。
は?
何、その反応。
「あ、怒んないで。すみません。悠紀さんは、そういう風に受け取るのかと思ったら、なんか癒されちゃった。」
くつくつ笑う猛を見下ろして、ため息。
なんか、ムカツキがどっかに行っちまうんだよな。
コイツのテンポって
「意味わからんし」
不機嫌に呟く。
「ヤだな、悠紀さん。自分、褒めているんですよ?真っ直ぐで綺麗だって」
は?
ますます意味がわからん。
なんだこの宇宙人は
「あれ、厭味。母さんの約束は破らないって言葉。わざと自分に聞かせたんですって。」
ん?
んんん?
「留守で見てないからって、約束破るんじゃねーぞ。って釘刺されたんすよ、自分」
「はぁ?そんなの、直接言やぁいいだろーが。」
「悠紀さん、すげぇイイですね。他人の腹を探ったり、本音と建前を使い分けたり、したことないでしょう?」
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