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「わかった!もぉ、やめてくれ。聞いていて恥ずかしいっ」
紅潮した顔を袖口で隠して、猛の言葉を遮る。
驚いた顔。
「どうしたんスか」
それは俺が聞きたいよ!
なんだよ。
なんで、こんなガキを色っぽいとか。
男にしか見えない野郎に!
エロいんだよ!
つか、そんなこと、思う俺がエロいんだよっ
あぁぁ……。
自己嫌悪。
「ちょっと、待ってろ。落ち着かせてくれ」
まじまじと見んな。
恥ずかしくて、顔色が戻らねぇ。
「そんな顔してるとキスしますよ?」
「はぁぁ!?馬鹿をちょこっと見直したら所詮は馬鹿だな」
猛はヘラヘラと笑うと
「なんか冷たいモン持ってきましょうか?」
と腰を浮かす。
ベッドが軋んで、一瞬いやらしい方向に思考が傾く。
「悠紀さん、」
顔を隠していた右手に、大きな手が重なる。
「……っか!近ぇよっ!!」
目の前に、猛の顔。
驚いて、左手で猛の肩を押す。
フッ。
「……非力。」
一気に近付いた猛の顔に、ぎゅっと目を閉じる。
額に、微かに触れた唇。
「ダメですよ、目なんか閉じたら。」
あ……。
不意に離れていった猛の気配。
「飲み物、取ってきます」
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