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比較的聡い、一つ年長の少年が、後の二人に目配せをした。 対応に困窮していた少年達は、すぐにそれに気がつく。 俺に気を取られ、すっかり混乱で視野が狭くなっているヒロに、まず年長の少年がジリジリと間合いを詰める。 その動きに、二人の少年も意図を悟る。 俺も気付いたが、それをヒロに悟られては意味がない。 「ヒロ!! よく考えろ。 今起こっていることは変えられないんだ…。 だったら、これ以上最悪の事態にならない方法を考えろって言ってるんだよ!!わかるか!?」 十分な間合いを見計らってまず年長の少年がヒロの右腕に飛び付いた。 姿勢を崩したところに少年達も飛び付く。 「なんでだよぉ! 裏切るのかよぉ!」 泣き喚くヒロに、年長の少年が怒鳴った。 「馬鹿が!裏切るんなら逃げてる!!」 あぁぁぁーーーんっ ヒロが子供のように泣きじゃくり始めた。 年長の少年、翔が少しホッとして、ヒロの手からバタフライナイフをもぎ取る。 俺は、震える手でようやく、110番を押した。
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