罪と、罰

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これは儀式なんだろうか。 まだ俺達が、僅かな糸で頼りなく繋がっていることを。 お互いが確認をするための。 だとしても、修一。 俺は知っている。 不自然にしか繋がれない俺達に、お前が苛立っていること。 それでも、不自然で頼りないその絆に、俺達は結局縋り付いているんだ。 この矛盾が俺達を苦悩させる。 一度、絡まってしまった糸は容易には解けない。 「一度人生から逃げ出すと、追って来たツケが自分の首を絞める」 懐かしい、まだ声変わりをする前の修一の声が脳裏に蘇る。 突然、あの夏の草の臭いが俺の鼻孔に蘇った。 お前の傷が消えない限り、俺の罪も消えない。 いや。 例えお前の傷が消えたとしても。 俺が人生から。 運命から逃げた事実は変わらない……か 「起こったことは変えられない。だからこれから。今。どうするかを変えていくんだろ?」 お前はいつでも正しい言葉で俺を支えていてくれるのに。 俺はいつまでも、罪の意識からどう抜け出せばいいのかわからない。 この気持ちを忘れてしまったら、過ちすら記憶から消してしまうようで。 本当は、俺が意固持になっている限り、俺達の関係が修復されることはない。 わかっているのに。
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