後悔

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中学2年。 あの夏の出来事は、俺達の間に常に横たわっている。 「悠紀、肩。」 俺は修一の半歩前に進み出る。 修一の大きな手が俺の肩に置かれる。 下りの階段。 修一はこれが一番苦手になった。 俺と一緒にいるときは、たいてい俺の肩を手摺り代わりにする。 「お前、また。」 修一は階段を降り切ると、ゆっくり俺を睨んだ。 「なに、」 「GW中、飯ちゃんと食わなかっただろ?」 俺はあまり、体格が表面に出ない。 それでも、ほとんど毎日、俺の肩に触れる修一にはすぐにバレる。 「もともと身長もなけりゃ、体重もないんだ。それ以上細くなったら、風が吹いただけで吹っ飛ぶぞ」 まだ肩に乗せられている手を、右手で払い落とす。 「お前を基準にすんな。俺は標準だっつーの。170も真ん中あれば普通、身長低いとか言われねぇし。世のちびっ子どもを敵に回すつもりか」 「今の言い草で、お前の方が敵を作ったと思うけどな?」 「今更、敵が増えたって俺にはどぉでもいいけど?」 「ホントにお前って社交性がゼロに等しいよなぁ……」 呆れ顔の修一に俺は笑顔を返す。
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