後悔

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「いらねぇ相手に愛想振り撒くほど体力ねぇから。」 「せっかく可愛い顔してんのに、あんまり笑わないし。もったいない。」 「男相手に可愛いとかキショイ」 「性格きっついし」 まあね。 俺だって、自分の性格があんまりよろしくないって自覚くらいある。 「よく10年以上も友達やってるよな?」 「自分で言うなよ」 小田急線は今日も満員電車だ。 たった二駅乗るだけでうんざりできる。 向ヶ丘遊園で降りると、大学までは登り坂。 徒歩で向かうと20分近くかかる。 それだって、健康な人間の足で歩いたらの話で。 雨も手伝って、いつもより長い行列が出来ているだろうバスロータリーに俺達は向かう。 雨だろうと、晴れだろうと、俺達はいつも北口から大学までを結ぶ小田急バスを利用している。 「朝から必修はキツイなぁ…」 同じ学部だから、俺と修一のカリキュラムは相談して般教まで同じ授業をとっている。 教科書代はおかげで半額。 荷物も他の学生の半分で済んでいる。 「しかし、学校がある日は朝から晩までお前と顔合わせてるってのも……飽きろよ、自分。……みたいな」 嘆息する修一に苦笑を返す。 「いいじゃないか、その分お互いメリットいっぱいだし」 「否定はしない」
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