5人が本棚に入れています
本棚に追加
/36ページ
「そうそう、この間お前バイト探していたよな?もう見つかったか?」
「いや、まだ。だって俺、絶対接客とか向いていないし。大学生のバイト募集なんて、短期じゃなければほとんど接客だろ?」
「まぁなぁ。でも、見つかっていないんだったらよかった。お前カテキョやんない?」
「カテキョ~?」
「一日3時間、時給1500円。週4回。ちなみに相手高校生男子。」
「げ。なにその好条件?」
「俺の従兄弟なんだけどさぁ、俺じゃあ勉強になんねぇから友達寄越せって。」
「え、従兄弟……って、」
「大丈夫。叔母はお前とのこと知ってるし、そっちの条件もクリア済み。」
黙り込む俺を、修一は軽く叩いてまたあの笑い方。
フッと短い、空気を漏らすような。
「まぁ、考えて。一週間で1万8千円。一ヶ月で7万2千円か。ちなみに、中間と学期末テストで順位が上がったらボーナス。」
「は?」
「10位ごとに千円だとよ」
「太っ腹~」
「ところがね。オミソなのが逆に10位下がるごとに同額減棒だと」
「げ。シビア……」
「ちょっと猛はクセがあるヤツでさ、予備校に入れたって素直にお勉強する質じゃないの。それで叔母もどうせ金を使うんなら……って訳」
最初のコメントを投稿しよう!