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なるほどね。
一般のカテキョを雇うにしたって、こんな条件で雇えっこない。
それで修一にお鉢が回って来たってワケだ。
「クセがあるって?」
「うん?あぁ、俺は好きだよ。猛。だけど、大人にとっては頭痛のタネ……かなぁ?」
「……はぁ?結局イミわかんねぇんだけど。」
目的地に着いたバスから一気に学生が降りていく。
俺達もおとなしくその流れに乗る。
「少しでも乗り気なら、逢ってみるか?」
「どういうイミ?」
「ん?そのまんまだよ。日曜日に猛と遊ぶから、お前も来るか?」
「普通、従兄弟ってそんなに仲がイイもん?」
日曜日に、二人で遊びに行くほど?
「変か?ってか、従兄弟って名前が付いているだけだしな。仲良くなるかどうかなんて、本人ら次第だろ?」
つまり?
友達みたいなもんだってことか。
「雨で少し遅れたな……。掲示板には後で行こうか」
「ん、昼休みでいいだろ」
毎朝、一限目前に掲示板を見に行く習慣の俺達だが、今日は修一の言う通り。
到着が10分ほど遅れていた。
掲示板に寄っても、一限目は7号館。授業に遅れることはないが……。
一限目は必修。好きな席に座るには、そろそろ教室に入っていたかった。
「修一、日曜日は何時にどこ?」
修一はまた、あのクセのある笑い方をして、
「10時に迎えに行く」。
そう答えた。
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