一の巻

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ここは仮面ライダー響鬼の世界から50年後。 「たちばな」もリフォームしながらもまったく昔と変らない造りだった。 (ガラガラガラガラ) 「おはよー!」 「あっ!炎鬼(エンキ)さんー!おはようございます!」 「おやっさんいる?」 「はい!父さんは地下にいますよ!」 (カツカツカツカツ) 炎鬼は階段をおりた。 (ギィ) 「ん?よぉー!炎鬼か!今日は休みだろどーした?」 桐生京介である。たちばなのおやっさんとして今だに魔化魍と戦っていた。 66歳。 「いゃー!最近、魔化魍も大人しいもんで体がなまってね!」 炎鬼はダンコを口にした。 (プルプルルル…) おやっさんの携帯が鳴った。 「おっ!吉野に行ったあずきからだ」 おやっさんの長女である。 「あずき!どーした?」 「ちょっと!お父さん!今、吉野の帰り道の途中で姫と童子を見たわ!」 あずきはあせっていた。 「わっ!わかった!えーと…、氷鬼(ヒョウキ)は反対山だし…。風鬼(フウキ)は一番遠くだし…、雷鬼(ライキ)が一番近いけど、二時間はかかるな…。ここからなら30分ってとこか…」 おやっさんは炎鬼をチラッと見た。
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