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「…紅……は?」
「……俺も合格した」
「……そっか」
……また沈黙。
するとふいに、1階でトントンという音が聞こえる。
どうやら捺が出かけるみたい。
「ちょっと俺、本屋行ってくるわぁっ!!!」
2階にある紅の部屋に届くようにとの配慮だろうが、かなり煩い。
「はいはぁーい!!!」
同様にちょっと怒鳴るように返事をした紅。
バタンとドアが閉まる軽い音。
なんか変な空気の中で、沈黙が繰り返される。
『何か喋んなきゃ…』
『何か喋んねぇと…』
心の声が重なり、
「あ、さのさぁ」
「あ、あのよぉ」
声まで重なった。
2人の声が重なったことで再び沈黙に戻るが、苺が先に言った。
「………何?」
「…そっちが先言えよ」
「私はいいから紅、先言って」
2人は黙り込む。
(この小説、沈黙多い…)
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