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大人しく穏便に済ませてやろうと思ってたのに…
『女顔』
その一言で静火のリミッターが解除された。
「あのさ…」
「やんねがっ…は…!」
腹に一発。
「俺のどこを見れば女だ?顔か?髪か?それとも身長か?」
「てめぇ!…ぐっ!…」
顔面への肘打ち。
「これでも結構気にしてるのにさぁ!えぇ?!」
一人を残し、数分間のお祭りを披露した後
最後の一人をひっ捕まえて『彼』は耳元で囁いた。
「死ぬか、消されるか…どっちがいい?」
「……ひっ!」
彼が手を離すとゴロツキ達はほうほうの態で逃げていった。
とりあえず、巻き込んでしまった彼女に謝ろうと振り返ると、彼女はまじまじと女顔の静火を見つめていた。
「…大丈夫か?」
「へ?あ、はいっ…。平気…」
こいつも俺の顔を…
とは思いつつも話を続けた
「巻き込んで悪かったな…」
「ホントに焦ったわよ……いきなり私が標的になるし…」
「……すまん」
「あ、気にしないでよ!……私、これから制服取りに行かなくちゃならないから。じゃあね!」
「…お、おう……あっ……」
……ミスった
同じ学校の制服だったよな?
名前……聞いておくんだった
そう静火は後悔するのであった。
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