P/Change-The-World

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「蒼井くんって、ケータイ持ってる?」 「……持ってるけど」 「アドレス教えて~!」 「ヤダ」 「「も~、ケチ~!」」 窓際の席で静火は、楽しげに盛り上がる女子の輪に囲まれていた。 女子と話すのは苦手なんだよ…… そんな事を思っていると、不意に沙希と目が合った。 静火は「おまっ…」と口を開き、そのまま目をそらしてしまった。 沙希は「今頃か…」と呟くと 「昨日の…」 「……っ」 厄介なことになりそうだ…… そう思い、顔をさらに背けてしまった。 まるで嫌なものでも見てしまったかのように。 「沙希、蒼井くんと知り合いなの!?」 「知り合い……というか、昨日制服を取りに行ったとき、不良に絡まれて……偶然助けてくれたんだけど……」 「え~、強いんだ!蒼井くんって!」 「助けられてみたいな~!」 余計なことを… 静火はそう思うのだった。
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