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「そうだ…、いけない。制服を取りに行かなくちゃ」
沙希が通う学園は学年ごとに制服が変わる
一年のモノをずっと使えばいいのに……
迷惑な話だ。
そして今日届く制服は夏服
どんな制服なのか楽しみだ。
……表へ出て、空に浮かぶ雲たちをもう一度見る。
新学期を改めて感じて、よしっ!と気合いをいれた。
制服を頼んだ店は、ちょっと小洒落た感じの店だった。
寮から一番近い店を選んだが……
間違っても、普通の女の子が一人で店内に入るようなことは考えられない雰囲気。
伝票を渡すと、困ったような笑顔を浮かべた店長が店の奥からやってきて言った。
「大変申し訳ございません。実は入荷のトラックが高速で渋滞に巻き込まれているようでございまして……。
もうじき到着すると思うのですが…」
「後日、改めて来た方がいいですか?」
と聞くと、本当にあと少しで来るからと、応接ソファーを勧められる。
…でも、ちょっと店内の雰囲気に馴染めなかったので、沙希は外で時間を潰してくると言い残して表へ出た。
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