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…おいおい、何年前の不良だよ
強引の上に脈絡のない展開に、怒るよりも呆れ果てて、彼は首を振る。
しかも、女の子相手に二人がかりとは…卑怯を通り越して、実に情けない。
「ちょっと遊びに行くだけだっつぅよ!…付き合えや、あ?」
「だ、誰か助けっ……!」
「……あー、だめだめ。
そんな誘い方だと、どんな女の子でも振り向いてくれねぇぞ?」
「…ぁああぁんッ?!」
男たちは一斉に彼のほうへ振り返ると、邪魔されたことに気分を害したようにメンチを切る。
…が、相手が隣の奴だとわかって余裕を取り戻したのか、すぐにそれは嫌らしい笑みに変わった。
沙希も、…『助かった』の安堵の表情が不安に曇る。
「なんだ、てめぇ?さっきの説教じゃあ足りないってか?」
「足りないって…何が?どこに?」
「テメェ…それ以上くそ生意気な態度とると、拳じゃあぁなくなっぞぉお!?」
彼は愛想笑いを消し、あからさまに嫌悪を浮かべた顔で彼らを睨みつける。そして、
「バーカ。俺を脅すなんざ、48億年早いっての。地球創生からやり直せ」
「んだとォごらぁ?」
「調子こいてんじゃねぇぞ、このガキ!女みてぇな顔しやがって!!」
ーほぉ。
ぷっちん。
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