出会い

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「まあまあ、つれないなあ。」 「先生は、そんなに私虐めて楽しいですか?」 「楽しいよ」 「やっぱり、からかってるんですね…」 「誰がからかってるって言ったんだよ?」 いきなり先生が桜の耳元で囁く。 「俺、桜のこと本気だから。ていうか、恋愛に先生と生徒なんて関係ないじゃん」 (世間的には大問題なんですけど) 「私は好きな人いる…んで。」 先生の大きな瞳に見つめられると、つい顔がほてってしまう。 (なんで先生見るだけで顔が赤くなんのよっ) 「好きな人居るんだ」 「はい!」 「まぁ、桜は絶対俺になびくよ」 「止めて下さい。明日世界が終わっても、私は先生の処には行きませんから」 「絶対、後悔させてやるから。」 今朝と同じ様に抱きしめられる。 ほのかにコーヒーの匂いがする。 いやじゃない そんな考えが一瞬頭をよぎった。 耳元で囁かれる。 甘くて優しい声。 「絶対、桜惚れさせるから。」 「や、やめて下さい。じゃあさよなら…」
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